
ここは、
親戚のお寺。
静かで、
よく手入れされた境内に、
時間が積もっている。

墓碑を見ると、先祖は
1733年生まれの山﨑喜左衛門さん。
奥さんは
江戸・神田金沢町
「伊勢屋」 から嫁いで来たと刻まれていた。
今でいうと、
神田明神の近く。
遠くは
伊勢(三重県)から来たのだろうか。
もしかしたら、
伊勢平氏と繋がるのかもしれない。
……ここまで来ると、
一気に平重盛にも届きそうになる
(さすがに飛躍しすぎかな😅)。
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本家は昭和初期、
和洋折衷の家で
ステンドグラスのある
ハイカラな家だったと母から聞いた。
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私は
喜左衛門さんから数えて
十二代目。
ロートアイアンで
光と影をデザインし、
ステンドグラスも使っている。
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血脈かどうかは分からない。
でもこれは
想い出の中の物語。
平重盛は
「灯籠殿」と呼ばれ、
光と影を見ていた人。
建築設計の仕事を経て、
光と影を描き、
ステンドグラスも使う今の仕事。
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代々の想いが、
形を変えて
今に生かされているのかもしれない。
このお話しは、
昭和初期から
江戸中期へ。
さらに辿れば、
900年前の灯りにも
手が届きそうになる。
私の起源を知った日だった。
代々引き継がれた日本人のDNAに、
「陰翳礼讃」の記憶も刻まれているのだろう。




